OpenFOAMサポートとGUI-FOAMをおすすめする理由

OpenFOAMサポートとGUI-FOAMをおすすめする理由

OpenFOAMサポートとGUI-FOAMをおすすめする理由





OpenFOAMのソルバーを動かすということ

 OpenFOAMはオープンソースの無償CFDソフトウェアです。オープンソースですからサポートは受けられず、ユーザーは開発元の簡素なドキュメントを頼りに自己責任で使用します。

 OpenFOAMを使いたい人は、WindowsマシンやLinuxマシンにOpenFOAMをインストールするところから始めます。Windowsマシンの場合、以前は仮想環境を構築してインストールするのが一般的でしたが、最近はWSL(Windows Subsystem for Linux)を用いたUbuntu(Linuxディストリビューション)にインストールできるようになりました。Linuxマシンでは、ディストリビューションにも依存しますが、ダウンロードしたソースコードをコンパイルしてインストールします。

 OpenFOAMで熱流体解析を行うには、メッシュを作成し、ソルバーを選択して、入力ファイルを作成します。OpenFOAMには解析目的に応じて多数のソルバーが存在します。OpenFOAMのソルバーで解析を実行するための入力ファイルの種類と内容は、ソルバー固有のものと、他のソルバーと共有できるものがあります。

 このように、 OpenFOAMのソルバーを動かすにはOpenFOAMに関する知識が必要です。当社では、OpenFOAM初級者から上級者まで幅広い読者に向けた教本「OpenFOAMライブラリリファレンス」を出版しました。この教本では、ソルバーの入力ファイルの説明と、ユーザー関数の作成に役立つようにC++クラスライブラリの説明をおこないました。





OpenFOAMを熟知した専任技術者がサポートを提供

 当社ではOpenFOAMサポート・サービスを提供しています。サポート契約ユーザーは、 OpenFOAMのあらゆる困りごとを当社にメールで質問し、即日回答を得ることができます。サポートでは、入力ファイルの設定方法や、OpenFOAMの使用に関連する内容、たとえばOpenFOAMソルバーに備わっているログ出力やオプションの機能(物理モデルの付加)など、に関するサポートも提供します。

 サポートユーザーは、当社が運営するOpenFOAMユーザー・サポート・サイトが利用できます(図1)。サポートサイトではOpenFOAMのFAQが参照でき、数多くのサンプル例題の入力ファイルが利用できます。

 OpenFOAMのインストールは手順が多く、公式Webサイトのダウンロード・ドキュメントですべてが賄えないこともあって、多くの方がインストールで躓きます。当社ではインストール手順をわかりやすく整理したOpenFOAMインストールガイドを作成し、サポートユーザーに提供しています。





どうしてGUI-FOAM(グイ・フォーム)なのか

 当社では、2022年11月よりGUI-FOAM(グイ・フォーム)を提供しています。その名の通りGUI-FOAMは、OpenFOAMの入力ファイルをGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)上で作成するソフトウェアです。

 OpenFOAMのユーザーサポート業務に従事していて、かなりの方がOpenFOAMの入力ファイル作成に起因するトラブルに悩まされている事に気づいていました。たとえば、入力ファイルに全角スペースが混在したり、キーボード入力で作成した入力ファイルに1文字でもスペルミスがあるとOpenFOAMのソルバーはエラー終了して計算に入れませんし、OpenFOAMのソルバーが出力するエラーメッセージからエラーの原因を特定するのは、時間がかかります。これらは初心者に限った事ではなく、長年OpenFOAMを使っていても事情はおなじです。 入力ファイル編集の面倒さを解消し、作成ミスの撲滅、準備負担の軽減・時短につながるGUIが欲しいという理由でGUI-FOAMが開発されました。

 GUI-FOAMは非圧縮・圧縮性流体、層流・乱流、非ニュートン流体、伝熱解析(ふく射を含む)、自由表面流れ解析、粒子追跡(DEM,MP-PIC法)のソルバーに対応しています。 GUI-FOAMでは、解析目的に合致するソルバーの選択、入力ファイルの作成、入力ファイルの出力までの設定がGUI上でおこなえます。OpenFOAMに精通していなくてもGUI-FOAMを用いてOpenFOAM の入力ファイルが適切に作成できます。

 GUI-FOAMを使えば「OpenFOAMライブラリリファレンス」で説明した関数オブジェクトやオプション(物理モデル)の設定が容易に設定でき、 「OpenFOAMライブラリリファレンス」では説明しなかった入力ファイルの項目(乱流モデルやふく射モデル、離散化スキーム、解法・線形ソルバーの設定)も設定できます。また、関数テーブルを視覚的に確認しながら設定がおこなえ、表面メッシュを表示しながら境界条件が設定できます(図2)。

 当社のOpenFOAMサポート・サービスと併用すれば、OpenFOAMの使用に関する総合サポートが得られます。




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