室内における快適性と換気システムの評価

室内における快適性と換気システムの評価

暑さ寒さによる快適性を評価する指標として、PMV(予測平均温冷感申告)やPPD(予測不満足者率)等があります。また、換気システムを評価する指標として、CRE(汚染物質除去の有効性)やLAQI(局所大気質指数)があります。

Simcenter FLOEFDでは、HVACオプション機能を使用することで、快適性の指標や換気 システムの性能指標を評価することが可能です。

ここでは、室内における快適性と換気システムを評価した事例を紹介します。
図1に示すような部屋の中の気流解析をおこないました。

解析では、以下の要素を考慮しました。
・人間および、室内設備に発熱条件を与えました。
・図1のベッドに寝ている人間の呼気を汚染空気とみなし、汚染空気が通常の空気中にどの程度含まれているかを考慮しました。

● 解析結果

空気の流れ

図2に、流跡線を示します。
流跡線の色は温度を表しています。

快適性評価

図3にPMVが0、0.25、0.5、0.75、1.0となる等値面を示します。
また、図4にPPDが5、10、15、20、25[%]となる等値面を示します。

PMVは、人間の温度に対する感じ方を示す指標です。PMVが大きくなると暑く感じ、PMVが小さくなると寒く感じ、PMVが0のとき暑くも寒くもないと定義されます。

PPDは、暑さや寒さを不快に感じると予測される人の割合を示す数値です。PPDはPMVの関数であり、図5のようなグラフになります。PMVが0のときでもPPDは5であり、5%の人は不快に感じると判断されます。そして、PMVが0から離れるにしたがってPPDは大きくなります。PMVが±3のときPPDは約99となり、約99%の人が不快に感じると予測されます。

換気システム

本解析でのCREは、1.22でした。CREは、ある空間全体において、汚染空気を除去することについて換気システムの有効性を示す指標です。CREが1以上であれば十分な換気ができており、1未満であれば不十分だと判断されます。本解析では、1以上であるため、換気システムが十分有効であると考えられます。

図6に床から1mの高さでのLAQIのコンター図を示します。LAQIは、任意の点から汚染空気を除去することについて換気システムの有効性を示す指標です。この値が大きいほど、汚染がよく除去されます。

FloEFD解析事例カテゴリの最新記事