CAEメールニュース(No.2018-6) 

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┃CAEメールニュース(No.2018-6)                    2018.6.20┃
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                                Terrabyte Co.,Ltd.
╋INDEX━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】今月のトピック
   ╋AnyBodyフォーラム東京2018開催のご案内
   ╋テラバイト技術通信 1「OpenFOAMによるゴム材料の流動解析」
【2】CAE技術情報
   ╋やさしく見直すCAE技術 第3回「ひずみ」
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ 筋骨格モデリング/バイオメカニクス解析ソフト AnyBody 
  ------------------------AnyBodyフォーラム東京2018開催!-----------------------
 
 2018年8月2日(木)東京・浅草橋にて、筋骨格バイオメカニクス解析ソフトAnyBodyの技
 術交流イベントを開催します。デジタルヒューマン研究の国内第一人者による基調講演と
 AnyBody開発者によるテクニカル・ノート、ベンダー&ユーザー講演で構成される無料の
 オープン・イベントで、どなたでもご参加いただけます。 

 日   時: 2018年8月2日(木)10:20-17:50  (受付 9:40) 18:00-20:00 懇親会 
 開催場所: 浅草橋ヒューリックカンファレンス
 定  員: 100 名 (定員になり次第締切とさせていただきます。)
 参 加 費: 無料(要・事前登録)

 ●詳細・お申し込みはこちら
  http://www.terrabyte.co.jp/18_Event/ABFT.htm?cae

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└■ テラバイト技術通信 1「OpenFOAMによるゴム材料の流動解析」

 OpenFOAMはGPLに準拠したオープンソースコードのソルバーです。
 ソースが公開されているため、ユーザは自由にカスタマイズし、不足している物理モデル
 や特殊な材料特性等の機能追加が行えます。
 今回は、当社でゴム材料の粘度モデル式をOpenFOAMに組み込み、流動解析を実施した事例
 を紹介します。

 ゴム材料は、成形工程において加硫剤の化学反応により3次元の網目構造が形成されます。
 このため、一般的な熱可塑性樹脂の解析とは異なり、加硫反応の進行の評価とこれに伴う
 粘度変化を考慮した計算が必要になります。

 当社では、実測データを元に粘度モデルを構築し、加硫の反応速度を考慮したゴム材料の
 流動ソルバーをOpenFOAMに組み込みました。
 運動方程式は、肉厚のキャビティ内の流動も再現できるようにStokes方程式ではなく、
 Navier-Stokes方程式を採用しています。
 また、キャビティ内にトラップされるエアーの挙動も追跡できるように、空気の流動も解
 く2相流モデルにしました。

 円柱のキャビティにゴム材料を充填する解析事例を下記のURL掲載しております。
 http://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/of-sample19.htm?cae

 ノズルから射出されたゴム材料は、初めは床面に向かって直線状に進みますが、その後加
 硫反応により、粘度が上昇して、折りたたまれるようにキャビティ内を満たしていきます。
 また、壁面から熱を受けて加硫反応が促進されるため、壁面に近い場所ほど、加硫反応が
 進行する様子が確認できます。

 ご興味がございましたら,お気軽にご連絡ください。

 テラバイトコンサルティングサービス―>
 http://www.terrabyte.co.jp/service/cae-consul.htm?cae

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└■ やさしく見直すCAE技術 第3回「ひずみ」--------------------------------------
 
  前回は、「応力」に関して記載させて頂きました。今回は、物体に生じる「ひずみ」に
 ついて、「応力」との関係性を交えて記載いたします。
  物体には「荷重」が作用すると「変形」が生じます。この荷重と変形の関係を明らかに
 すれば、荷重に対しての変形量を推定することができます。しかし、この関係は形状ごと
 に異なります。たとえば、同じ材料で同じ長さの直径1cmの棒と直径100cmの棒に同じ引張
 荷重を与えた場合をイメージしてください。細い棒は太い棒よりも大きい応力を受け、伸
 びやすい(変形量が大きい)というのは直感的にわかります。では、直径の異なる棒に同じ
 引張応力を与えたらどうなるでしょう?この場合、変形量は同じになります。次に長さと
 直径が異なる2本の棒を考えてみましょう。長さが10cmある直径1cmの棒と長さが1000cmあ
 る直径100cmの棒に同じ引張応力を与えた場合、当然、変形量は異なりますが、実現象と
 しては単位長さ当たりの変形量は同じになります。この単位長さ当たりの変形量が「ひず
 み(strain)」です。
  荷重-変形の関係は、棒の径や長さが変わるとそれぞれ異なる一方で、応力-ひずみの関
 係は、同じ材料であれば部材の寸法に関係なく同じになります。そのため、応力-ひずみ
 の関係は材料の機械的性質を決定する重要な要素となります。
  材料試験で得られる応力とひずみは、一般的に縦軸を「公称応力」、横軸を「公称ひず
 み」とした応力?ひずみ曲線で表されます。公称応力σnは、試験片の変形に必要な力Fを
 試験片の初期断面積A0で割った応力σn=F/ A0であり、公称ひずみεnは、標線間距離Lま
 で伸ばされた試験片の伸び量ΔLを試験片の元の標線間距離L0で割ったひずみ
 εn=ΔL/ L0=(L- L0)/ L0になります。一方、大きな変形を考える場合には、試験片の形
 状が試験前とは大きく変化することを考慮した「真応力」と「真ひずみ」を考える必要が
 あります。真応力σ’は、試験片に加わっている荷重Fと変形中の試験片の断面積A から
 σ’=F/Aで表されます。真ひずみεlは、試験片が初期長さL0からLまでの伸びを受けた場
 合、εl=ln(L/ L0)となります。真ひずみεlと公称ひずみεnの間には、εl=ln(1+εn)の
 関係があり、ひずみが大きくなると、たとえば、εn=ΔL/ L0=0.3の時、
 εl=ln(1+εn)=0.262と両者の差は大きくなり、真ひずみは公称ひずみよりも小さくなり
 ます。
  上述のようなひずみまでになった場合には鉄や樹脂など多くの材料が破断に至ります。
 土やコンクリートの破断のひずみはもっと小さく1%以下です。このようにひずみは材料の
 特性に関して重要なパラメータとなります。
  我々自身に置き換えて考えた場合でも、ストレスを受けるとひずみが生じます。ひずみ
 量には個人差がありますが、過度なひずみが生じないようにストレスをうまく除荷してい
 くことが、現代社会を生き抜く一つのコツなのではないかと思います。
 
 ※2006年9月号に掲載された記事に加筆、修正を加えております。
                                    
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└■ CAEセミナー・イベント情報----------------------------------------------------

 当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
 たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
 みください。

□ 第29回 設計・製造ソリューション展 出展
  会期:6月20日(水)~22日(金)
  会場:東京ビックサイト
  テラバイト出展ブース:東2ホール 32-29
  http://www.terrabyte.co.jp/18_DMS/?cae

□ 株式会社JSOL JMAGビジネスカンパニー主催 
  「JMAG活用セミナー はじめての電磁界解析&JMAG使いこなし術」
   静岡(浜松):2018年6月27日(水)/東京(晴海):2018年7月04日(水)
  https://www.jmag-international.com/jp/seminar/op/2018/index.html

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
   「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」 (6/26 東京)
   「塑性加工技術セミナー 初級編」 (7/26 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm?cae

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
  紹介セミナー&無料体験ワークショップ (7/5 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm?cae

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 紹介セミナー (7/13 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semi.htm?cae

□ 「基礎構造講座」-衝撃工学の基礎-(7/18・19 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm?cae

□ 汎用熱流体解析ソフトウェア「AcuSolve」 紹介セミナー (7/20 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_seminar.htm?cae

□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
  「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (7/24 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm?cae

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 基礎トレーニングセミナー 
  (7/25 東京) ※Anybodyの学生ユーザ様限定のセミナーです。
  http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semiN.htm?cae

□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」無料体験セミナー (8/1 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm?cae

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (8/2 東京)
  ※当社のLS-DYNA保守ユーザ様限定のセミナーです。
  http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm?cae

□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (8/7 東京)
  ※当社のLS-DYNA/JVISION保守ユーザ様限定のセミナーです。
  http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm?cae

□ 樹脂流体解析スキルアップセミナー(10/18 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/seminar/fluid_semi.htm?cae

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└■ エッセイ --------------------------------------------------------------------

 梅雨のこの時期は、各地で雨の日が多く憂鬱な日が続きますが、たまに晴れた日はとても
 気持ちがいいです。
 最近、プランターでトマトを育てているのですが、この時期、晴れた日は植物の生育が早
 く、朝出社前に見た樹形と帰りに見た時で、明らかに形が異なり昼間の半日ですごく成長
 した事に驚いております。
 比較的育てやすいトマトですが、夏の収穫に向けて枯らさない様に頑張りたいと思います。

                                        T.H
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└■ 購読者アンケート ------------------------------------------------------------

  購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
  ぜひご協力ください。
   
  http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_sformmail.php

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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
最近の気温の変化についていけずになんとなくだるい日が続いています。何か良い対処法は
無いものでしょうか...ひとまず規則正しい生活と十分な睡眠を心がけます。
                                     E.Ikeda
・ ・ ・ ・ ・・・・・・‥‥‥‥………………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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☆ 発行:(株)テラバイト 東京都文京区湯島3-10-7 NOVビル5F 編集担当:池田 絵美
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