IPM構造モータのトポロジー最適化事例

IPM構造モータのトポロジー最適化事例

概要

IPM構造モータのトポロジー最適化の事例を紹介いたします。本事例では図1に示すように、8極24スロットIPMモータを1/8対称(反周期境界)の断面形状でモデル化し、定常回転時のトルク波形を計算します。「トルク波形の平均値Taveの最大化」、「トルクリップルTrpの最小化」の2つの目的関数を定義します。ロータコアの一部を設計領域と定義し、そこに材料を2つ割り当てます(今回は空気と電磁鋼板)。設計領域内の各要素の材料を切り替えて、目的関数に対する最適な材料分布を探索します。最適化エンジンは、多目的遺伝的アルゴリズムです。

トポロジー最適化の計算結果

パレート解の解分布を図2に示します。また、JMAG-Expressで作成した参考モデルの解も図2に示します。代表ケース①と代表ケース②のTaveはほぼ同値ですが、Trpの値に大きな違いが見られます。また、Taveが大きく、Trpが小さいほど最適化されているといえるため、パレート解に属するケースのほとんどは参考モデルより優れていることがわかります。

図3に代表ケース①、②と参考モデルのモデル形状の比較、表1及び図4にトルク波形の比較を示します。白色の部分は空気領域、黄緑色の部分は電磁鋼板領域です。代表ケース①と代表ケース②におけるTrpの値の違いの原因は、赤い点線内の空気領域の有無であると考えられます。
ここからさらに、両者の磁界解析の結果を考察することや形状を作りなおし各寸法に対してパラメトリック解析、形状最適化を行うことで、フラックスバリアの形状の違いによる寄与についてさらに理解を深められます。

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