CAEメールニュース(No.2012-11)

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃CAEメールニュース(No.2012-11)                             2012.11.20┃
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
Terrabyte Co.,Ltd.
╋INDEX━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】今月のトピック
╋樹脂成形プロセスCAEソフトウェアご紹介
・ブロー成形プロセス解析ソフトウェア「BlowView」
・樹脂シート熱成形プロセスソフトウェア「FormView」
【2】CAE技術情報
╋プラスチック成形とCAE-その21.熱硬化性樹脂のレオロジー(3)
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┌┐
└■ 採用情報———————————————————————

□ CAE解析技術者・CAE技術営業 募集中 !
詳細はホームページから→ http://www.terrabyte.co.jp/company/recruit.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ 樹脂成形プロセスCAEソフトウェアご紹介—————————————

□ブロー成形プロセス解析ソフトウェア「BlowView」
BlowViewは押出ブロー成形とストレッチブロー成形、2つのプロセスを対象としたブ
ロー成形シミュレーションソフトウェアです。
インタラクティブで操作性に優れたプリプロセッサを備え、設定は成形プロセス条件を
入力しデータベースから材料を選択するだけの簡便さを実現しています。
使い勝手の良いGUIを備え、使用される樹脂をデータベースより選択、プロセス条件を
設定いただくだけで解析を実施できます。

□ BlowView機能

●押出ブロー成形(エクストルージョン)
┗パリソン押出し/冷却/ブロー/反り
●延伸ブロー成形(ストレッチ)
┗プリフォームの再加熱/ブロー/反り
●以下の成形についてもモデル化することができます。
-複数ツールによるブロー成形
-円形、楕円形、プログラムされたパリソンのブロー成形
-プロファイル加熱されたプリフォームのブロー成形
●内部ソルバーは、ブロー成形プロセスの各フェーズに特化した非等温の連続体力学構成
方程式を解きます。
-プリフォームの再加熱・パリソン/プリフォームの膨張・パリソン形成・
パーツ冷却と反り
●最適化
開口率プロファイル、ダイ形状、ダイギャップ等を変更しパリソン重量最小化や板厚偏
差最小化の最適化が可能です。

詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/blowview1.htm

——————————————————————————–

□樹脂シート熱成形プロセスソフトウェア「FormView」
FormViewは複数プラグを含む熱成形、プロファイル加熱されたプリフォームやシートの
熱成形をシミュレーションします。
インタラクティブで操作性に優れたプリプロセッサを備え、設定は成形プロセス条件を
入力しデータベースから材料を選択するだけの簡便さを実現しています。

□ FormView機能

●複合母材を含む熱成形
●プロファイル加熱された予備成型品やシートの熱成形
●真空成形
●内部ソルバーは、プラスチック熱成形プロセスの各フェーズに特化した非等温の連続体
力学構成方程式を解きます。
-シートの再加熱・シート成形・反りと変形

詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/FormView/formview1.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ CAE技術情報「プラスチック成形とCAE-その21.熱硬化性樹脂のレオロジー(3)」

今回は反応速度モデルについてご説明します。熱硬化性樹脂は反応の進行により物性値
が変化しますので、流動のみならず、成形品の応力、ひずみの予測の際にも反応の状態を
把握しておくことが重要になります。
通常、熱硬化性樹脂においては、反応の進行の度合いを反応率という無次元数で表現し
ます。未反応の状態が反応率ゼロ、反応が終了した状態が反応率1になります。反応率の
時間方向の変化率が反応速度と呼ばれます。色々なモデルがありますが、メカニズムとし
て考えやすいのは「指数減衰モデル」です。これは、時間ゼロで反応速度が最大で時間の
経過とともに反応速度が急激に小さくなるモデルです。このモデルは主剤の周りに硬化剤
や硬化促進剤が多い初期の段階では反応がもっとも活発になり、時間の経過とともに未反
応部が減っていくという現象を表現しています。反応速度の曲線を時間積分していくと反
応率の変化曲線が得られます。
実際のCAEでよく使われるのが「Kamalモデル」です。これは、「指数減衰モデル」を拡
張した形になり、反応速度が最大となる時刻を自由に調整できます。すなわち、材料形態
によっては「指数減衰モデル」で表現できない場合もあり、CAE側としては汎用的で便利
なモデルと言えます。これも反応速度の曲線を時間積分していくと反応率の変化曲線が得
られます。
このような反応速度モデルのパラメータを決める実験データはDSC (Differential
Scanning Calorimeter:示差走査熱量測定装置)で得られます。通常は一定昇温条件で材
料の発熱速度の変化を調べます。横軸を時間にしたときの発熱速度曲線の面積が総発熱量
で、ある時刻までの面積を総発熱量で除した値がその時刻における反応率という前提で反
応率の変化も求められます。なお、弊社CAEソフトではDSCデータからKamalモデル中のパ
ラメータの値を自動的に求めるGUIも用意されています。粘度式中に反応率が含まれてい
る場合は、粘度測定データとDSCデータとを組み合わせて同時にカーブフィッテングして
それぞれのパラメータを求めます。そして、CAE解析では反応率を逐次粘度式に入れて粘
度変化を求めます。また、発熱速度はCAEソフトのエネルギー方程式中に入り、反応によ
る発熱を考慮した解析ができます。
材料と成形法にもよりますが、一般的には樹脂が充填中の反応率が低い段階では発熱速
度は小さく、充填完了後の硬化過程で反応発熱の影響が顕著になります。金型内に熱電対
を入れ、樹脂の温度変化を調べますと、反応発熱の影響で樹脂温度が金型温度より高くな
る現象が観察できます。CAE解析で実際の温度変化を精度よく予測した事例もあります。
電子デバイスでは熱による素子へのダメージの有無の判定にも使えます。また、大型の製
品では、熱が伝わりにくい肉厚部があると、最初は金型壁よりも温度が低くなっています
が、その後、樹脂内部で反応熱が蓄積し、成形途中から内部温度が非常に高くなる逆転現
象も起きます。反応熱の存在を考慮した解析では離型のタイミングの合理的な選定などプ
ロセスの最適化に非常に有効ですし、離型後の成形品の反り、変形予測精度向上にも役立
ちます。
次回はゲル化後の物性値の変化の取扱いについてご説明します。

●参考資料
1) 佐伯準一:成形加工,18,280(2006)
2) 佐伯準一, 吉田勇:成形加工 ,13,118(2001)
3)佐伯準一, 吉田勇:成形加工 ,13,188(2001)
4)日出勝利、大木慎一、佐伯準一,”熱硬化性樹脂の3次元CAE解析”,第23回計算力学講
演会(2010年9月)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-

当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
みください。

□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (11/28・12/26 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm

□ 統合CAEツール「HyperWorks」最適化セミナー (11/30・12/21 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks-seminar.htm

□ 熱硬化性樹脂流動解析ソフト「NEPTAS」紹介セミナー (12/4 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/NEPTAS/semi.htm

□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (12/5 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
紹介セミナー&無料体験ワークショップ (12/6 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm

□ 鋳造/湯流れ凝固解析ソフト「FLOW-3D CAST」紹介セミナー (12/7 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3DCast/flow3dCast-seminar1.htm

□ プラスチック射出成形シミュレーション「Simpoe-Mold」
紹介セミナー&体験ワークショップ (12/11 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Simpoe/Simpoe_seminar1.htm

□ ハイエンド自由表面解析ソフトウェア「FLOW-3D」紹介セミナー (12/13 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3D/flow3d-seminar1.htm

□ 「基礎構造講座」
・「振動工学の基礎」(12/18・19 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
・「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」(12/20 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm

□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (12/25 東京)
※Jvision/LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm

□ 統合プリポストプロセッサー「PreSys」 無料体験セミナー (2013/1/9 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/PreSys/PreSys_seminar.htm

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (2013/2/7 東京)
※LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ エッセイ「龍女伝説」———————————————————

だんだん冬が近付いてきて、暗くなるのも早くなってきましたが皆様は体調など崩して
いないでしょうか?
先日新幹線に乗って出張に行ってきました。12月にもなると、名古屋から京都に向かう途
中で不意に天気が悪くなる場所があります。そこに十九女(つづら)池と呼ばれる大きな
池があります。この池には伝承があり、その昔夜が更けると横笛を吹いた美しいお姫様が
現れたそうです。急に現れた美しいお姫様に、村は騒然となりましたが誰もそのお姫様に
ついて知る者はいません。そんな時、どこからともなく『十九女池の大蛇の化身ではない
か?』との噂がたち、大蛇の苦手な鉄の針をお姫様の着物に刺したといいます。しばらく
して月の冴えた晩に、お姫様が『池へ戻るのでこの笛を 置いて行きます』と言って、若
者に横笛を渡しました。その笛が現在、八幡神社の宝物となっています。
皆様も秋の夜更けに気になる場所について調べると、面白い言い伝えがあるかもしれませ
んので一度 調べてみてはいかがでしょうか?
K.Kawase
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ 購読者アンケート ————————————————————

購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
ぜひご協力ください。

http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_sformmail.php

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
一段と寒くなった今日この頃、本格的に冬の支度を始めないとです。衣替えに暖房器具の準
備に何かと面倒ですが、まずは万全を整え風邪などひかぬよう注意したいと思います。
最近は急に冷え込む事が多いので、皆様も体調管理には気をつけましょう。
E.Ikeda
・ ・ ・ ・ ・・・・・・‥‥‥‥………………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ 本情報は、予告無く変更される場合があります。最新情報に関してはテラバイトHP
からご確認ください。http://www.terrabyte.co.jp
☆ 掲載されている会社名・製品名は、各社の登録商標または商標です。
☆ 掲載記事の無断転載を禁じます。文中の商標等は各社に属します。
☆ 発行:(株)テラバイト 東京都文京区湯島3-10-7 NOVビル5F 編集担当:池田 絵美
☆ 発行者Webサイト: http://www.terrabyte.co.jp
☆ Copyright(c) Terrabyte Co.,Ltd
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━