解析内容
.磁界-構造連成解析(一方向連成)を用いて、IPMモータの寸法最適化を行った事例を紹介します。本事例では、IPMモータの2次元磁界過渡応答解析を実施し、各部品に作用する電磁力を算出します。得られた電磁力を荷重条件として2次元構造過渡応答解析を行い、ロータに発生する応力を算出します。さらに、以下の3項目を目標として最適化計算を実施します。
- トルク平均値の最大化
- トルクリップルの最小化
- ロータにかかる応力の120MPa以下
解析モデル
.モデル概要図を図1に示します。対称性を考慮して1/8対称(反周期境界)でモデル化します。最適化パラメータ一覧を表1に示します。
図1:モデル概要図(積層厚さ100 mm、占積率98%)
表1:最適化パラメータ一覧

解析結果
〇解分布
.全世代の解のうち制約条件「ロータにかかる応力が120 MPa以下」を満たす解分布を図2に示します。本事例では、トルク平均値とトルクリップルはトレードオフな関係であることが分かります。

図2:最適化計算の解分布
〇各目的関数および制約条件の設計変数依存性
.各目的関数および制約条件の設計変数依存性を図3に示します。トルク平均値およびトルクリップルはSDよりGAPに依存しており、一方、ミーゼス応力はGAPよりSDに依存しています。どの寸法がどの結果に影響するか知ることで、効率よく設計することが可能です。今回は2つの設計変数で計算していますが、設計変数を増やすことでより多くの知見を得ることができます。

図3:各目的関数および制約条件の設計変数依存性(縦軸:目的関数および制約条件、横軸:設計変数)
〇代表ケースの計算結果
.解分布のうち特定の解の詳細も確認可能です。制約条件を満たす解のうち、トルク平均値が最大となった解を代表ケース①、トルクリップルが最小となった解を代表ケース②とします。代表ケース①と代表ケース②の解分布上の位置を図4に示します。各代表ケースのトルク波形を図5に示します。各代表ケースにおけるミーゼス応力最大値発生時のミーゼス応力分布を図6と図7に示します。代表ケース①と代表ケース②のミーゼス応力分布アニメーションをそれぞれ動画1と動画2に示します。
図4:最適化計算の解分布における代表ケースの解の位置
図5:各代表ケースのトルク波形

図6:代表ケース①の最大値発生時のミーゼス応力分布(電気角22.5°の時)
図7:代表ケース②の最大値発生時のミーゼス応力分布(電気角7.5°の時)
動画1:代表ケース①のミーゼス応力分布アニメーション(1ティース分の回転角度)
動画2:代表ケース②のミーゼス応力分布アニメーション(1ティース分の回転角度)
