Case

解析事例

カップ試験によるウレタン発泡材料特性の検討

カップ試験によるウレタン発泡材料特性の検討サムネイル画像

1. 概要

ウレタン発泡シミュレーションでは、発泡特性の選択が解析結果に影響する。シミュレーションで設定した値が適切でないと、発泡倍率が足りずに未充填箇所が発生してしまったり、流動状況が実際と異なり、ボイドトラップの発生個所が再現できない場合がある。
発泡特性は材料毎に異なるため、カップ試験などの簡単な検証解析で合わせこむことが重要となる。

 

本事例では、カップ試験の実験とシミュレーションの結果を比較し、適切な発泡材料の選択、発泡パラメータの検討例を紹介する。

 

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    図1 カップ試験

2. カップ試験

使用したウレタン材料を表1に示す。ウレタン材をハンドミキシングで攪拌し、発泡して体積膨張する様子を撮影した。測定した発泡高さから、比容積変化を算出し、この比容積変化の結果をシミュレーションと比較する。 

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    図2 比容積変化の試験結果

3. 計算条件

  • 解析モデル:実験同様、図3に示すカップ形状
  • 初期配置:高さ11cmまでウレタン材を充填した状態からスタート
  • ウレタン材:設定した材料を表2に示す。Case1~4はデータベースを使用し、Case5,6は、Case4のSeat Cushionをベースにユーザ定義の入力パラメータを調整。

  ユーザ定義材料1 … ポリマーの密度やポリオール:イソシアネートの配合比を実験と同じ値に変更
  ユーザ定義材料2 … 含水量や、NCO濃度、その他の化学反応の発泡パラメータを調整

 

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    図3 解析モデル

4. 解析結果

発泡の様子 

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    Case1
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    Case2
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    Case3
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    Case4
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    Case5
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    Case6

発泡の様子の試験結果との比較 Case6 

 

・シミュレーション 

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・実験 

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比容積変化のグラフ

比容積変化の結果比較を図4、発泡終了時刻を表3に示す。

  • Case1は発泡倍率が小さく、発泡終了時間も早い。
  • Case2,3は発泡倍率が非常に大きく、発泡終了時間も早い。
  • Case4は発泡倍率は試験結果より多少大きいが、ライズタイムは試験結果と同程度の時間となった。
  • Case5は発泡倍率、発泡終了時間共に小さくなった。
  • Case6は試験結果の比容積変化を再現する結果が得られた。
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    図4 比容積変化
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    表3 発泡終了時刻

まとめ

  • Case1~4の結果から、材料データベースを使用する場合、Case4の材料が試験結果に最も近い結果となった。ただし、発泡倍率が大きいため、実成形品において未充填となる箇所にも充填される可能性が高まり、ボイドトラップの発生が減少する可能性が考えられる。しかし、材料データベースを使えば、材料が決定していない場合でも、簡単にテスト計算して大まかな流動状況を観察できる。
  • 独自開発した材料の発泡特性(ライズタイム、発泡倍率など)を再現するためには、Case6のように、ユーザ定義によるパラメータ調整が必須となる。
  • 今回は、発泡高さ(比容積変化)のみの合わせこみを行ったが、温度や粘度の合わせこみを行うことで、より実際の流動状況の再現性の向上が見込める。

 

 

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