Case

解析事例

ノズルから放水した液体による汚れの洗浄

ノズルから放水した液体による汚れの洗浄サムネイル画像

OpenFOAM

1. モデル説明

OpenFOAMのVOF法のソルバーを利用して、ピン型の成形物の洗浄解析を行いました。ピンの先端と根本に異なる油汚れ(物性の異なる2種類の液体A,B)を配置し、ノズルから射出した水によって付着物が流されていく様子を調査しました。ノズルから放水する角度は、タイムテーブルで時間変化させました(グラフ1 参照)。

 

なお、流体解析で複数の液体を同時に計算する場合、真水と海水の様に混ざり合う現象(=misible)を解く場合と、水と油の様に混ざり合わない現象(=immisible)を解く場合では、異なる手法で計算する必要があります。今回の計算事例では、水で油汚れを洗浄することを想定しているため、immisibleの多相流のソルバーであるmultiphaseInterFoamを利用して計算しました。

 

計算は2ケース行い、液体Aの粘度を変更しました。

OpenFOAM-analysis-76-01
OpenFOAM-analysis-76-02
OpenFOAM-analysis-76-03

 表1. 計算ケース 

OpenFOAM

2. 解析結果

 各ケースの洗浄の様子を示します。 

図2. ケース1の洗浄結果(アニメーション) 
 図3. ケース2の洗浄結果(アニメーション) 
OpenFOAM

3. まとめ

  • ピン型の成形物上部に配置した油汚れの液体Bは、水が直接ぶつかるため、どちらのケースでも洗い流される様子が確認できます。

     

  • ピン型の成形物根元に配置した油汚れの液体Aでは、水は直接ぶつからないため、粘度が低いケース1では洗い流されますが、粘度が高いケース2では一部根元に残る結果となりました。

     

  • immiscibleなソルバーで計算したため、洗浄対象である油汚れA,Bは、洗い流された後も界面の拡散/混合が起きていません。このため、洗浄後の油汚れの挙動も確認することができます。

     

  • 洗浄条件を変更することで、適切な洗浄条件(水の吐き出し速度、吐き出し方向、ノズルの位置等)を検討する事ができます。 

OpenFOAM

4. 補足(設定の概要説明)

OpenFOAM ver8 では、流入境界で指定する流速(ベクトル)や圧力(スカラ)等を時間変化させたい場合、 uniformValueをtableコマンドで指定します。その直下に、各時刻の物理量を定義します。今回紹介した事例のように、ベクトル量である流速を時間変化させたい場合、Uファイルは以下になります。
例)流入を停止した状態でスタートし、Y方向の流速のみ1秒から10秒にかけて0から5とし、以降5で一定にしたい場合、、、

---------- Uファイル内の流速を指定するパッチ---------
inlet
{
type uniformFixedValue;
uniformValue table
(
(0.0 (0 0 0))
(1.0 (0 0 0))
(10.0 (0 5 0))
(1000.0 (0 5 0))
);
value (0 0 0);
}
-------------------------------
※ ベクトル(volVectorField)の場合、X,Y,Z成分の値を指定しますが、スカラ(volScalarField)の場合、指定する値は一つになります。

設定の参考tutorial:
インストール先ディレクトリ/tutorials/multiphase/interPhaseChangeFoam/propeller/

 

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