FSSで構成されたレドームの解析
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製品名
- Altair FEKO
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カテゴリー
- 電磁界解析事例
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産業分野別
概要
レドーム(レーダとドームの混成語)はアンテナやレーダを保護するためのカバーです。レドームは、アンテナやレーダを外部から直接見えないように隠すとともに、風、雨、太陽光線などから保護します。その材質、構造、配置によって、アンテナやレーダの放射特性に影響を与えます。
ここでは、FSS[1]で構成されたレドームについて、放射特性を解析した結果を説明します。
[1] FSSは Frequency Selective Surfaces の略称で周波数選択面のことです。FSSは周波数によって透過反射率が異なる特徴を持っています。
解析モデル
図1にFSSで構成されたレドームの解析モデルを示します。レドームは回転曲面状のFSSで構成されています。ここで使用したFSSは、図1の右上に示すようなスリットのパターンが周期的に並んだ構造です。レドームの下部にアンテナを配置し、放射特性を解析します。
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図1 FSSで構成されたレドームの解析モデル
FSSの透過反射特性
図1のモデルを幾何光学法(GO)で解析するために、あらかじめFSSの透過反射特性を算出しておきます。図1の右上に示すスリットのパターンが一つある金属板単体のモデルを作成し、対称性のある2次元方向に周期境界条件を設定します。このモデルに様々な方向から電磁波(平面波)を照射して透過反射特性を算出し、データファイルとして保存します。
図2に、電磁波(平面波)がFSSに垂直に入射した場合の透過反射係数を示します。電磁波が、10GHz付近ではほとんど透過すること、10GHzから離れるにしがって透過量が減り反射量が増えること、が確認できます。
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図2 FSSの透過反射特性(9~11GHz)
図3および4に、電磁波(平面波)がFSSに異なる角度で入射した場合の透過反射係数を示します。ここで、Thetaは天頂角、Phiは方位角を表します。
このように、あらゆる角度からの入射に対して透過反射係数を算出し、データファイルとして保存します。その際、電磁波の偏波も考慮します。
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図3 FSSの透過反射特性(Phi = 0 [deg]) -
図4 FSSの透過反射特性(Phi = 30 [deg])
解析結果
このレドームのモデルの放射特性を、マルチレベル高速多重極法(MLFMM)と幾何光学法(GO)で解析しました。MLFMMを用いる場合は金属のスリットのパターンをそのまま直接モデル化し、GOを用いる場合は前項で算出した透過反射特性を持つ表面として出力したデータファイルを設定してモデル化しました。波源は、あらかじめアンテナを解析して出力した球面波データを使用しました。
図5にPhi = 0 [deg] の面内の放射パターンを、図6にPhi = 90 [deg] の面内の放射パターンを、それぞれ示します。
MLFMMとGOの計算結果は概ね一致しており、特にTheta = - 60 ~ 60 [deg] の範囲では非常に良く一致しています。
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図5 レドームの放射パターン(Phi = 0 [deg]) -
図6 レドームの放射パターン(Phi = 90 [deg])
計算コスト
表1に、放射パターン解析における計算コストを示します。高周波近似法であるGOの場合は、完全解法であるMLFMMの場合に比べて、計算時間を大幅に短縮できています。
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表1 放射パターン解析の計算コスト
まとめ
FSSで構成されたレドームについて、背面のアンテナからの照射に対する放射パターンをマルチレベル多重極法(MLFMM)と幾何光学法(GO)を用いて解析し、それらの結果と計算コストを比較しました。両者の結果は概ね一致し、FSSの透過反射特性を反映していることを確認しました。高周波近似法であるGOでは、完全解法であるMLFMMに比べて計算時間を大幅に短縮できたことを確認しました。
Simcenter Fekoでは、解析の目的、モデルの規模、計算機の性能などを考慮して様々な手法やモデル化を選択し、放射特性の検討をすることができます。