柔構造防護部材の衝突解析モデルに関する研究

株式会社テラバイト
要点
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落錘試験に基づき、柔構造防護部材の衝突解析モデルの妥当性を検証
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解析精度向上に寄与するモデル化条件を抽出
- アラミド繊維ロープネット、鋼板、アラミド繊維シートのエネルギー吸収性能を評価
概要
原子力施設の竜巻飛来物対策として利用される柔構造防護部材を対象に、落錘試験を再現した衝突解析モデルを構築した。ロープネットのモデル化条件が荷重応答へ与える影響を比較するとともに、アラミド繊維ロープネット、鋼板、アラミド繊維シートのエネルギー吸収性能を評価した。その結果、鋼製フレームのひずみ速度依存性とターンバックル剛性が重要であり、各防護部材のエネルギー吸収量は同程度であることを確認した。
研究背景
2013年の新規制基準により、原子力施設では竜巻飛来物に対する安全機能維持が求められている。防護対策として、鋼板のほか、防護ネットや防護シートなどの柔構造防護部材が検討されているが、エネルギー吸収性能や解析モデルに関する知見は十分ではない。本研究では、アラミド繊維ロープネットの落錘試験を対象に衝突解析モデルの妥当性を検証するとともに、各種防護部材のエネルギー吸収性能を比較評価した。
研究成果
図1に解析モデルを示す。重錘はソリッド要素、鋼製フレームはシェル要素、アラミド繊維ロープネットはビーム要素でモデル化した。一方、鋼板およびアラミド繊維シートはシェル要素でモデル化した。
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(a) アラミド繊維ロープネット (b) 鋼板またはアラミド繊維シート
図1 解析モデル
本研究では、落錘試験との比較を通じて解析モデルの妥当性を検証した。その結果、ロープの圧縮側剛性を考慮しないモデルが合理的な張力分布を示し、鋼製フレームのひずみ速度依存性およびターンバックル剛性が解析精度に大きく影響することを確認した。一方、防護部材と鋼製フレームの接続条件や支持条件の影響は比較的小さいことを確認した。
図2に各防護部材における衝撃荷重-変位履歴、表 1にエネルギー吸収量を示す。アラミド繊維ロープネット、鋼板およびアラミド繊維シートのエネルギー吸収性能を比較した結果、いずれも同程度のエネルギー吸収量を示した。一方、鋼板は最も変形量が小さく、鋼製フレームへの負荷も抑制できることを確認した。アラミド繊維シートについては、単体では発生応力がせん断強度を超過する可能性が示された。
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図2 衝撃荷重-変位履歴
表1 エネルギー吸収量
関連分野へのインパクト
柔構造防護部材の解析モデル高度化により、原子力施設における竜巻飛来物対策の合理化が期待される。
結論
柔構造防護部材の衝突解析では、鋼製フレームのひずみ速度依存性とターンバックル剛性の適切なモデル化が重要である。比較した防護部材はいずれも同程度のエネルギー吸収性能を有していたが、鋼板は変形抑制効果に優れ、アラミド繊維シートは補強との併用が望ましい。
論文情報
掲載:SMiRT27プロシーディングス(2024)
タイトル: Study on a Crash Simulation Model for the Member of Flexible Structure
著者:桑村 美也子,竹越 邦夫
用語説明
柔構造防護部材:ロープネットやシート等の柔軟な変形により衝撃エネルギーを吸収する部材。
ひずみ速度依存性:載荷速度(ひずみ速度)によって構成材料の力学的特性が変化する現象。
ターンバックル:ロープの張力調整に用いる締結金具。
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