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AnyBody 概要

デンマーク・オールボー大学で開発され、世界中で広く使用される筋骨格メカニクス解析ソフトウェア。ヒト筋骨格モデルに動作を与えた際、人体各部に作用する力(筋活動量、筋力・拮抗筋力、腱の弾性エネルギ、関節力・関節モーメントなど)を逆動力学解析で算出します。検体解剖に基づく詳細な人体モデルが提供され、モデル拡大/縮小スケーリングのほか、 MRI/CTで測定した骨形状を用いた解析がおこなえ、CADデータをモデルに組み込んで工業製品や運動器具、義肢装具やインプラントの人体への影響が評価できます。動作は関節角度入力とモーションキャプチャ計測データに対応し、出力データが自在にカスタマイズできる自由度の高い解析ソフトウェアです。


人間工学に基づいた設計

人間の身体は、置かれた環境と連動して機能します。私たちを取り囲む道具、家具、自転車、職場、その他全ての品物の設計が人体の運動条件により定められており、人間工学と呼ばれています。
AnyBodyは、人体だけではなく人体と関わりを持つ対象物のモデリングもおこないます。例えば、自転車のシートとクランク機構、椅子の背もたれと足置き、 自動車のハンドルとシフトギアなどです。AnyBodyを利用することにより、以下のような設計パラメータの人間工学的な影響を詳細に研究することが可能 となります。

  • コンピュータのマウスを操作中の肘の力に、机の高さが与える影響の大きさ
  • 自転車を漕いでいるとき、ペダルアームの長さが代謝に与える影響の大きさ

AnyBodyのモデルは、パラメータ値で調整可能です。筋力、セグメント長、もしくは外部力の方向などを自由に変更できます。それだけでなく、このシステムはモデルを最適化し、与えられた目標値の実現に最も適したパラメータの組み合わせを自動的に算出します。例えば、筋肉疲労を最小にする自転車の寸法 を、乗る人の身体のサイズごとに割り出すことが可能です。


動作と姿勢の組み合わせ

AnyBodyによる解析は、人体の動作から始まりますが、全く未知の動作の場合、例えば恐竜がどのようにジャンプしていたかなどはシミュレーションできるのでしょうか。AnyBodyには、逆動力学が採用されています。これは、動作をパラメータ調整してシステムの最適化機能によって決定することができます。つまり、恐竜のジャンプがその体型に最適であったとすれば、その動きを再現する事が可能です。


AnyBodyの適用例

    1. 人工股関節にかかる負荷にねじれ角が与える影響
    2. 電子制御されたエアロバイクのペダル機構の設計
    3. 運転中の快適さを最大限にするためのシートデザイン
    4. レース用自転車に乗っているときの筋活動に上半身の姿勢が与える影響
    5. クロスカントリースキー競技で運動効率を高めるポールの設計

※開発元:AnyBody Technology A/S

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