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カスタマイズ事例

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カスタマイズ事例

弊社が実施したカスタマイズ事例の一部を紹介します。

1. 表面張力モデルの精度向上

標準のOpenFOAMでは曲率の計算精度が低い等の理由により、インクジェットの液滴など、微小スケールで表面張力が支配的となる計算では満足のいく計算精度が出せないことが多々あります。
これらの問題を解決するために、interFoamにおける曲率の計算精度向上を図り、 疑似流速の発生を抑える手法を組み込みました。


2. 多相流(interFOAM等)を含む着色機能の追加

VOF法に物質種(スカラ)移流方程式を組み込みました。物質種移流方程式は流体の一部を着色し、3次元的な流れを可視化する機能です。この機能により、工場排水の広がりや攪拌槽内で混ざり難い箇所がどこかなど、視覚的に確認する事ができます。

周期的に翼を逆回転させる正逆反転攪拌の事例です。攪拌槽下部の流体を着色する事で、攪拌の進行状況や攪拌しにくい場所等、簡単に確認する事ができます。OpenFOAMは並列計算が前提となる大規模な非定常の攪拌解析であっても、費用を気にすることなく実施できます。このためスケーリングの問題を解決するツールとしてご利用いただけます。

河川で工場排水が広がりながら拡散していく様子の解析事例です。自由表面に対応しているため、波を考慮した港湾部における温排水の計算も可能です。物質種(スカラ)の個数を任意に増やせるため、複数の工場から排水される環境であっても、測定ポイントにおける各工場の排水の影響を検討できます。


3. 二相流における熱計算機能の追加

interFOAMにエネルギー式の導入をおこない、温度場の解析を可能にしました。これにより、自由表面を伴う解析でも熱計算が可能となりました。


4. 凝固・融解解析機能の開発

エンタルピー法を用いた凝固融解解析オプションを開発しました。凝固・融解解析では液体から固体への凝固、あるいは固体から液体への融解の相変化を解析することができます。
エンタルピー法ではエネルギー方程式に潜熱を考慮し、セルの液相割合を示す液相率(あるいは固相割合を示す固相率)が導入されます。
合金などの鋳造解析で生じるいわゆるMushy領域に対しては、液相率を用いて表わされるKozeny-Carman式から透過率を算出し、Mushy領域を多孔質体として扱います。

右の図は、初期温度が20℃の水が-10℃の壁面によって冷やされ、氷になっていく様子のアニメーションです。水は約4℃で密度が最大となるため、自然対流の解析には体積膨張率の温度依存性を考慮しないと精度のよい解が得られません。本オプションでは水の自然対流の解析を簡単に設定できるようにしてあります。
また、凝固・融解解析は自由表面解析(VOF法)と同時に実行できます。したがって、鋳造や溶接のシミュレーションも可能になっています。


5. レーザー溶接・溶断解析ソルバーの開発

レーザー溶接では高パワーのレーザーを材料に照射します。高パワーレーザーを材料表面に局所的に照射することによって、材料の表面は急速に融解し蒸発します。溶けて蒸発した材料表面には反発力と呼ばれる高い圧力が作用し、材料にキーホールと呼ばれる狭く深い穴を生じさせます。レーザーは材料表面で反射を繰り返し、キーホールの底部へ到達します。これはまたレーザーから材料へのエネルギー伝達が増加することを意味します。このようにレーザー溶接の解析では、レーザーの材料表面での多重反射の考慮が必要になります。
(図:レーザーの多重反射)

これらレーザー溶接・溶断に固有の現象を捉えるために本ソルバーでは、以下の機能を実装しています。
・蒸発反発力を考慮したCSF(体積力)モデル
・レーザー多重反射の計算のための光線追跡アルゴリズム
また、本ソルバーはMPIによるコードの並列化をおこなっており、並列計算機での計算にも対応しています。

右の図(動画)は金属材料へのレーザー照射によるキーホールの生成過程の解析結果を示しています。
この解析では、エネルギー方程式、自由表面(VOF)、表面張力、凝固・融解が流れ場(質量保存式、運動量保存式)とともに解析されます。レーザー溶接・溶断解析ソルバーは、設定ファイル中で各解析機能のオン・オフに加えてさまざまな設定ができるソルバーとなっています。


6. 発泡材を考慮したソルバーの開発

シート成型等、発泡剤を考慮したソルバーを開発しました。反応率依存で、密度や体積、樹脂の粘度も計算する事ができるため、発泡現象を再現する事ができます。事前にカップ等の簡易的な発泡試験を実施し、材料固有の発泡特性のパラメータを算出します。
また、空気の流動も解いているため、型内にトラップされるボイド位置も予測することができます。ノズルの移動経路やベント位置など様々な成形条件を変更した計算が可能なため、成形不良の問題を解決するツールとしてご利用いただけます。

右のアニメーションは、自動車シートの2色成形の発泡解析事例です。発泡特性の異なる2種類の樹脂材料を充填させ、型内を発泡していく様子を解析しました。ボイド位置は樹脂材料の初期配置にも強く依存するため、適切なノズル経路の検討を行えます。


7. DEMと流体計算のカップリングソルバー開発

粒子計算(DEM)ソルバーと自由表面を伴う流体計算ソルバーの計算を一つのソルバーでおこない、VOF法と粒子の相互作用を考慮した、カップリングソルバーを作成しました。
DEMは粒子同士の衝突を解くため、流線を可視化する機能であるマーカー粒子・質量粒子とは異なり、実際の砂の振る舞いに近い粒子挙動を再現できます。特に、流動層など粒子密度が高い現象では、精度の高い解を得るためには粒子同士の衝突の考慮が必須になります。なお、水中で堆積していく砂を模擬するためには粒子同士の衝突計算が必要になるため、マーカー粒子・質量粒子では再現できません。
VOF法とDEMのカップリングソルバーによって、洗堀、土石流、骨材を考慮したコンクリートの充填解析等が可能です。

洗堀の解析事例です。橋脚周辺に発生する速度勾配によって砂が削られていきます。
参考URL https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/of-sample9.htm

骨材を考慮したコンクリートのU字型フロー試験の解析事例です。
参考URL https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/of-sample32.htm


8. ろう付けを再現するオプション機能の開発

2層流解析用のソルバーであるinterFoamをカスタマイズして、ろう付けの計算が可能なソルバーを作成しました。
標準のinterFoamに湧き出し機能と多孔質体モデルを組み込み、さらに、毛管圧を考慮することで、溶融/未溶融状態のロウが混在する、接合面でのロウの流動を制御できるようにカスタマイズしました。
毛管圧などのパラメータは、計算条件の設定ファイルであるtransportPropertiesで変更可能な仕様にしました。
ロウ溶融プロセスのシンプルなモデル化と、非構造格子メッシュの利点を生かし、薄くて広い領域を伴う解析対象でも、実用的なCPU時間で計算可能です。


9. 新しい粘度式の追加

ユーザー様よりご提供いただいた任意の実験式を、新しい粘度モデルとして組み込みました。式中のパラメータは、transportPropertiesファイルで定義可能な仕様にしました。
複数の粘度モデルを追加可能で、どの粘度モデルを使用するかもtransportPropertiesファイルで選択できるようにしました。
例えば、温度やせん断速度、反応速度等を考慮する事も可能となるため、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂など、反応の進行状況に応じて粘度が時々刻々変化しながら充填していく解析も可能となります。

熱硬化性樹脂の解析事例です。
硬化反応はKamalモデルで、反応率依存の粘度はMacoskoモデルで定義しています。樹脂パラメータはキャピラリーレオメータやDSCの測定結果からフィッティングします。空気領域の流動も解いているため、例えばポッティング時にトラップされる気泡位置の検討にも使用できます。
参考URL https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/of-sample20.htm

架橋を考慮したゴム材料の充填解析事例です。
Binghamモデルに加硫度を加えた粘度モデル(Saekiモデル)を開発しました。
参考URL https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/of-sample19.htm


10. 新しい境界条件の追加

標準にはない新しい境界条件を追加しました。境界条件が適切でないと、保存するべき量が無限に増え続けるなど、非現実的な結果となってしまうことがあります。例えば、ある物理量が保存するように、特定の境界から流出する量とリンクして、他の境界から流入する量を決定する境界条件を作成しました。
分布を与える、実験データを反映させる、前ステップの結果から相対的に値を変える等、任意の境界条件も追加可能です。

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